代表:大原三佳
研究サポート人材バンクを立ち上げたきっかけ
分子科学研究所で約 7 年間勤務し、機器共用事業に携わりました。その中で、いくら高価な機器を購入しても、十分な技術や知識のある人がいないと、共用が進まない事実に直面し、その時から人の問題をどうしたらいいかを考えてきました。
その反面、急速に高齢化が進んでいて、まだ元気なのにも関わらず、定年という制度によって離職してく人を見ていて、なんとももったいないし、こういう人たちをもっと生かすべきではないかと思いました。それが「知識・技術人のシェア」というコンセプトにつながりました。
「個人的な背景」としては、父が亡くなったあと目にした父の日記に、その晩年、社会や人とのつながりの希薄さを感じ、空虚な思いをしていたことが記されていました。それを見た時、現役引退後の社会とのつながりの重要性を強く感じました。また私自身に子供がいないことや、同年代では単身者が多いこともあって、今の高齢者の置かれる環境とはまた違う未来になっていると想像しています。
そんな自分自身の老後を想像した時に、長く社会につながれる場を作りたい、またそれはボランティアや経済活動でなくてもよいのですが(既にそれらはある)、年齢にかかわらず経済活動に参加できるなら、私はその方がいいと思ったのです。実際には、自分自身がその年齢にならないと分からないことですけど。
具体的な事業について
目指すのは、退職後のベテラン研究者・技術者などが実際の研究開発の現場で働いてもらうというものです。もちろん在宅も含めてですが、単なるコンサル(上から目線でアドバイスだけして終わり)ではなく、一緒になって手伝うというのがポイントです。特に最近では、研究開発における AI やデータ分析の重要性が高まっていますが、そこにも高齢者の知識や技術を循環させ、それはやがて新たなイノベーションを生む土壌づくりに繋がる可能性もあると期待しています。
最後に
自分が定年を迎えるときにどうなっているかなど、誰も先の事は分からないと思います。ただ、参考材料の一つとして、先輩の方々が組織を離れた後も様々な形で社会とつながり、活躍している姿を今後紹介していきたいと思います。それを見て憧れるもよし、やっぱり定年後はゆっくりしよう、もよしです。人生100年(そんなに長生きしたくないけど)と言われます。定年後の人生も長くなりましたから、もしも少しでも興味をお持ちでしたら、ぜひ今後登録をご検討くださいませ。